ロンドン大学SOAS 大学院留学奮闘記

2017年9月からロンドンで修士号取得を目指す30代子持ちパパの家族帯同留学奮闘記

MBA or MSc ?

自分はSOASのいわゆる一般的な修士課程に進学する予定である。

ちゃんと卒業することが出来れば、MSc (Master of Science)という修士号が授与されることになる。

 

会計士という仕事柄、ビジネスや経営といったことを意識することも普段から多く、留学を考えたときに、まず最初に思い浮かんだのは、当然MBAであった。

 

そのため、留学することを決めた当初は、MBAについて、ものすごく調べて、実際に色々な学校が行っている説明会等にも参加してみたりもした。

 

実際に説明会とかに行ってみると、どの学校も非常に魅力的に感じたし、授業内容も面白そう、人脈も世界中に広がる、また、多様性のある環境下の中で徹底的に鍛えることで、リーダーシップといったソフトスキルも鍛えることが出来ると強く感じ、非常に興奮したことを覚えている。

 

そんなこんなで、当たり前のように当初はMBAを目指して、英語の勉強に加えて、ビジネススクールで要求される試験(GMAT)の勉強も開始した。

 

そんなこんなで、MBAの方向で準備をし、仕事との両立(私費のため当然会社には勉強しているという事実は隠していた)で泣きそうになりながらも、何とか勉強時間を捻出してきた。

 

そんなMBAモードだった自分が、最終的にMScという一般的な修士課程を選択した理由は以下のとおりである。

 

①金銭的な側面

MBAはやっぱり高い。授業料に関して、イギリスの有名どころでいうと、

 

・Oxford ⇒ £55,500(約770万円)

・Cambridge ⇒ £53,000(約740万円)

・London Business School (LBS) ⇒ £75,100(約1,050万円)(*1)

・Manchester ⇒ £43,000(約600万円)(*2)

(*1) プログラム上、最長21ヵ月のため単純に12ヵ月の換算すると£42,914

(*2) プログラム上、最長18ヵ月のため単純に12ヵ月の換算すると£28,666

 

といった具合になるが、それなりに名が知れたところの学校のMBAとなると、どんなに安くとも授業料で£30,000(420万円)程度は見る必要がある。

 

スペインとかフランスとかのMBAも見たけど、イギリスと同程度かそれ以上といった具合であった。

アジアは多少安くなるけど、それでも、やっぱり日本円で400万円は見る必要があるというのが印象だ。

ちなみに、アメリカは2年制プログラムがメインにあるので、授業料だけで、1,000万円以上は当たり前といった感じである。

 

私費で行くとなると、やはり現実的にお金の面を気にしなくてはならない。

 

これに加えて、家族を連れていく場合は、生活費もかかる。実際どうなるかはわからないが、ロンドンであれば、1年間で諸々の費用を見積もった感じ、航空券やら留学保険やら色々とコストは膨らみ、最低でも700万から800万(実際はもっとかかると見込んでいる)は見ておいたほうが良い気がする。

 

さすがに、上記授業料に加えて、こうした生活費がのしかかることを考えると、家族帯同且つ私費でMBAに行くというのはかなり負担が大きいというのは否定できない。

 

ちなみに、私が進学するプログラムの授業料は約£19,000(260万円)程度。

それでも高いとは思うが、MBAと比較するとだいぶ安いというのが正直なところである。

 

金銭的に試算した結果、高額の授業料を支払えるほどの余裕はないという現実的な側面もあり、MBAは断念し、別の道を模索することにした。

 

②将来的なキャリアの方向性との不一致

MBAという選択をやめ、どのような形で留学するかについて、情報を収集する中で、やはり自分自身は、①将来的に国際開発に何かしらの形で関わっていきたいというのと、②会計士としての専門性と修士で学んだ専門性を掛け合わせることでオンリーワンのスペシャリストを目指したいというのがあった。

 

確かにMBAは格好良いし、色々な面でつぶしが利くのは事実であるかと思うが、そもそも会計士というスペシャリスト方面でキャリアをスタートしている中で、ジェネラリスト方面に舵を切るというのがいまいち描けなかったし、自分から見れば銀河系エリート達が大集結するMBAというフィールドに突っ込むことで、MBAホルダーの猛者と市場で競争することになり、逆に埋もれてしまう可能性があるような気がした。

 

そう考えると、やっぱり専門性をさらに磨いて、独自の専門性を身に着けたほうが、キャリア戦略上も良いかなというのが打算的ではあるが思ったところである。

 

また、仮にMBAで学んだとしても、卒業後、巨額の投資資金を回収するために、外資投資銀行や戦略コンサルといった高額サラリーが保証される職場に、年齢を鑑みても行けるとは思わなかったし、キャリアの方向性とも異なっており、魅力的に感じなかったというのも事実である。

 

そんなこんなで、自分の過去の専門性や経験とと将来目指す方向性を補ってくれるのが、今回修士課程で学ぶ内容であり、実際行ってみたら期待と違うかもしれないが、今のところはかなり楽しみな心境である。

 

③時間的制約

 あと、現実的な側面として、そもそも留学を決断したのが、2016年年明け位であった一方で、年齢から逆算して、諸々の事情があり、どうしても2017年9月から始まる年度に留学したいというのがあり、留学準備の期間が極めて限られていた。

 

一般に英国の大学院はローリング方式による出願であり、早い出願の方が有利であるといわれている。よって2016年内に出願するというのを目標として設定した。

 

元々純ドメで英語は全然得意ではなく、IELTSも死ぬほど苦労したし、そんな状況下でMBAを考えた当初はGMATも始めざるを得ず、二兎追いをしていたら、どちらも点数が取れないまま出願シーズンが終わってしまうような気がした。

 

そうした時間的な制約もあり、英語一本に集中したほうが良いと思ったところも理由としてはある。

 

実際に、MScの課程に進んでみて、実際どうであったかということについては、今後の留学ブログで触れていけたらと思っている。